彫刻家:重岡建治さん
重岡アトリエ

  伊豆高原で開催されているアートフェスティバルの工房訪問でお会いした彫刻家重岡建治
さんについて、お話します。(2011/5)

伊豆番匠の仲間から、何度となくお名前は聞いていましたが、彫刻ということで正直それ
ほど関心はなかったのですが、今回ご一緒したUさんが行ってみようということで、訪問
させて頂きました。

結果、訪問して本当に良かったと思いました。
お会いして驚いたのは、人当たりが大変温和な方ですが、若々しくエネルギッシュな素晴
らしい方だと知りました。
(芸術を追求されている方は、どちらかと言うと気難しい方が多いという先入観があった
からです)
応対も親切丁寧に、こと細かく説明して頂けました。

そして大切にされているテーマをお聞きしましたが、それは「さわれる彫刻」と「大地か
ら生まれる」ということを念頭において創作されているそうです。
<
<さわれる彫刻>
このさわれる彫刻というのは、娘さんが小さい頃、美術館で展示されている作品を触った
ところ、館員から注意され、それ以来娘さんが美術館に行かなくなったそうです。
これではいけないと思い、さわれる彫刻を作るようになったんだそうです。

触っても大丈夫なように形が工夫されており、室内に展示されている作品の多くは、手で
触ったところがきれいに艶が出ていました。特に女性のお尻の部分はきれいでした。

<大地から生まれる>
大地から生まれるというテーマは、すべてのものは大地から生まれてくるということで、
ほとんどの作品は大地と繋がった形で表現されています。
アトリエのところどころに置かれている木切れに描かれた絵画は、ちいさな木切れも捨て
ないで、絵を描く画材にされているところは、重岡さんの「生まれること」を大切にさ
れている思いの現れであると・・・そんな重岡さんのこころに触れたような思いがしまし
た。
重岡さんの作品は、大木を大きなチェーンソーを使って粗どりするような作品が多いので
すが、木彫作品の製作途中にカットされた、たかが木の切れ端ですが、これすらも捨てな
いで大切にして画材にしてしまうところに、重岡さんの心豊かな生き方に触れることが出
来て、思わず心が温かくなりました。

   
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